The Hunt for Morpheus【前編】
2005年5月22日午前6時20分 モーフィアスの話
目覚めし者たちは、今日の活動予定が遅れることを考えに入れなければならない。かの悪名高いザイオンのモーフィアスが再びメガシティに出没、さまざまな地域の目覚めし者たちの前に姿を見せた。現れるごとにネオの肉体を要求し、要求が通らなければ恐ろしい結果になると、マシンを脅迫しているようである。停戦を取りまとめた者の身体のために、何故モーフィアスが停戦協定を侵そうとしているのか、謎のままである。この日の出来事に関する正式な報告は後ほど。
2005年5月22日午前9時 マシン側の対応
現在のモーフィアスの状況について、各勢力から公式な声明が発表された。モーフィアスの演説は時間が経つにつれて、ますます扇動的になっていくようだという報告があった後のことである。マシン側はモーフィアスの要求に応じるつもりはない事を公に発表しており、「マトリックスを転覆させる」試みには厳重に対処すると警告した。驚いたことに、モーフィアスは現在の状況では、どの勢力とも同盟関係にないようである。ザイオンでさえ、リーダーたちは彼の活動については知らず、許可もしていないという。かのザイオンの「夢想家」が、このような逆境に直面しながらも、脅迫ともいえる行為を成し遂げることができるのかはわからない。
2005年5月22日午前9時35分 警告!
警告:目ざめし者たちは、ザイオンの裏切者モーフィアスに警戒を怠らないように。信頼できる情報筋によると、モーフィアスは実際に昨日から計画を実行に移す準備をしているという。今やマシン側はネオの肉体を手放すのを拒否しているからである。どうやら彼の計画は、多くの住民を目覚めさせて「マトリックスの幻影を暴く」ことだという。どのようにして実行するのかは不明である。次の情報を待て。
2005年5月22日午後12時30分 コード爆弾
ますます過激になってきたモーフィアスに関する最新の情報。各勢力はマトリックスを不安定にするモーフィアスの活動を、公に非難している。この日のうちに、モーフィアスは目的を達成するため、特別な「コード爆弾」を使用していることが明らかになってきた。
モーフィアスが自分で爆弾を仕掛けているのか、他に協力者がいるのか不明である。しかし、一つのことが明らかになった。このホバークラフトの元船長は、マトリックスの中の目覚めた者ばかりでなく、繋がれている者たちに対しても広く語りかけているという事である。「目を開け、見ている世界は幻影以外の何物でもない!」と熱弁を振るいながら爆撃を行っている。その後、自分の言葉が正しい事を証明するために、爆弾の影響を受けた者たちを利用するのである。
首尾よく爆弾が爆発すると、マトリックスを構成しているコードに干渉する。うまい具合にマトリックスのコードの一部が露わになり、眠っている者(ブルーピル)にも見えるようになる。爆弾による肉体的ダメージがあったという報告はないが、このような状態でRSIを見るため、ひどい精神的外傷を負うようである。マシン側は、被害が拡大する前にモーフィアスを捕らえるため、エージェントを派遣した。エージェントたちの邪魔をしないように。
2005年5月23日午前11時 爆弾の解除
エージェントたちは夜通し活動していたが、ザイオンの裏切り者モーフィアスは、いまだ野放し状態である。報告によると、彼は積極的に「コード爆弾」を護衛のプログラムとともに設置しているという。護衛プログラムはその場に残り、爆弾が解除されないように守っているようである。しかし、これだけ多くの爆弾が設置されているのは、モーフィアスが他から援助を受けていることを意味する。メガシティのさまざまな場所で演説を行いながら、持っているだけの爆弾を一人で設置するのは不可能に思われる。
各勢力は諜報員たちに、爆弾を見つけ、可能であれば解除するよう要請した。その一方で今でも、モーフィアスからは距離を置くように勧告している。計画に干渉すると、ひどい反撃に遭う可能性があるからである。
2005年5月23日午後8時 狼人間たちの暴動
本日午後、モーフィアスはメロビンジアン配下の集団、凶悪で血に飢えた狼人間たちに追われていた。狼人間の軍団は、今日出会った者全てを激情しながら無差別に襲っていた。噂では、フロッド(訳注:メロビンジアン配下の司令官)みずらかメロビンジアン配下の戦士たちに、集中攻撃に巻き込まれないようにモーフィアスから離れるよう警告したようである。不幸なザイオンとマシン側の戦士たちは、警告を受けることはできず、かわりに狼人間たちの牙や爪に何度も襲われることになった。
このような別の問題が起きたにもかかわらず、モーフィアスは自分の命を脅かされることよりも、大勢の目ざめし者たちがせっせと爆弾を解除することにいらいらしていたように見えた。あらゆる場で、このザイオンの放蕩息子は、多くの解放された人間たちが自分の努力を無駄にする道を選んだことに、驚き傷ついたようだった。情報によるとモーフィアスは、狼人間たちの脅威には注意を払わず、大きな危険を自ら冒しながら彼らを諌めようとしていたようである。
当然のことながら、モーフィアスの言動はマトリックスの現在の政治的状況を揺るがしてきた。最近の演説では己の態度を明確にし、「協力するか敵対するか、どちらかだ」と言っている。各勢力の目ざめし者たちの多くは、それぞれのリーダーの指令に従い続けている。しかし、このザイオンの裏切り者に耳を傾ける者たちもいて、そのために協力関係は先が見えず、意味をほとんど失っている。
2005年5月24日午前11時30分 爆撃続行
都市じゅうで爆撃が続き、有能な目ざめし者たちは、モーフィアスが起こす破壊行為からマトリックスを守るため、忙しい状況に置かれ続けていた。場所によっては、戦士たちは疲れ果てていた。不用意にコードをいじった結果、爆弾を爆発させてしまい、護衛のプログラムが油断したところを奇襲してきた。爆弾の解除に参加していない者たちは、是非参加して欲しい。疲れた戦士たちは休息を切望している。
モーフィアスはここ2日間の激しい妨害から生き延びている。エージェントの邪魔が入っただけでなく、大勢の狼人間の奇襲もあった。組織的な狼人間たちの攻撃が起きたため、メロビンジアンが関与しているという疑いが出てきたが、直接メロビンジアンの代理人に現状について尋ねてみたところ、回答を拒否した。各勢力はこの理解しがたいザイオンの裏切者を止める方法について議論し続けている。しかし今のところ、満足できる方法は見つかっていない。
2005年5月24日午後6時 爆弾を受け入れよ
本日モーフィアスに会った目覚めし者たちは「爆弾を受け入れる」よう勧告を受けた。ネオの身体を取り戻すための、彼の一途な探索は続いている。ザイオンの船長ナイオビは、モーフィアスの活動に対処すべく、彼を追跡した。聞くところによれば、ザイオンはモーフィアスを裏切者と考えており、現在の計画を続けるのであれば、もう保護しないと伝えるつもりだったようだ。モーフィアスに会った者の話では、「狂信的に己の動機に身を捧げており、ナイオビを大いに落胆させている」という。また、モーフィアスの以前の味方は、前述の「爆弾を受け入れよ」という演説に続く白熱した議論の後で、怒って去っていったようである。
別のニュースとして、この日一日に渡り、新しい集団が事件に関与してきた事が挙げられる。どの勢力と組んでいるのかは不明な覆面の集団が、モーフィアスを攻撃し、爆弾を解除しようとしていた。この無法者たちが裏切者のレッドピルなのか、モーフィアスが最近目覚めさせたブルーピルなのかわからない。この新しい脅威のせいでメガシティがどうなるのかは、不明なままである。全勢力の忠誠心が張り詰め、勢力どうしが互いに何のとがめもなく攻撃しあっているために、現時点では状況を混乱させただけである。ザイオン内部においてでさえも、停戦は危うく、モーフィアスを断固として支持する者たちもいれば、ロック司令官の指示に従い続けている者たちもいる。
